終の住処で少女は微笑む - 1/4

探索者はある日、友人から一枚の心霊写真を受け取る。
「これを枕元に置いて眠ると不思議な夢を見ることができるんだ」
友人の目には隈が浮かんでいるが、その顔は『ついに本物を見つけたのだ』と幸せそうである。
さて、夜になり枕元に写真を置いて眠りに入る貴方はどんな夢を見るのか。

はじめに

本シナリオは、クトゥルフ神話TRPG第6版、第7版に対応しております。

推奨人数……1人
難易度……★☆☆☆☆
推奨技能……目星、聞き耳、図書館、歴史、医学
舞台……現代日本、(架空の国)ヴァルマ国
戦闘の有無……基本的に無し
所要時間……テキセで6~7時間

目的

特にない。あえて目的をあげるなら、革命の中で生きる少女の選んだ結末を受け入れ、それを見届けるのがこのシナリオの目的である。少女の願いは自身の死である。
上記目的により、人を選ぶものとなっているが、死を選ぼうとする罪なき少女に対して探索者がどのような行動をとるのか、と気になる人に向けたシナリオである。
存分に愉悦という感情を感じて欲しい。

シナリオの流れ

本シナリオは、現実パートと夢パートに分かれており、下記の通り進行する。
1日目:現実パート(夜:就寝前)→夢パート(路地裏)→夢パート(墓場)
2日目:現実パート(朝~夜:探索)→夢パート(路地裏)→夢パート(墓場)
3日目:現実パート(朝~夜:探索)→夢パート(路地裏)

NPC情報

岡本浩二(おかもと こうじ)

探索者の友人。心霊写真を渡した張本人。
探索者より2日早く写真を枕元に置いて夢を見ている。2日目の夢を見た時点で探索者へと
写真を渡しているので、最終日の夢を見ていない。夢を見た代償としてMPが減少したため、結果として体調不良を起こしている。

リチェル

黒いフードで顔を隠している墓守の娘。『死体の持ち物を自分のものとしてよい』という法律から、死体の持ち主を漁っているときに、屍食教典儀を見つけて読んでしまう。そこからグール化が進み、1840年には半グールとなっている。彼女を直す手立てはない。
また、少女は、少女の住む国の王妃と先代の墓守との間にできた娘である。自身がグールへと変化していること、そして、進む革命の中で上がった声『王家の血を継ぐ者は皆罪である』という民衆の意見。それにより、自分が生きていても仕方がない、生きていたくない、と考えて処刑人へと自分を殺すように求めるようになる。

【年代別の彼女の容姿など】
1835年  9歳(見た目 6歳)
1840年 14歳(見た目10歳)
1845年 19歳(見た目13歳)

チャールズ

処刑人の一族の人間。初対面で全く彼の職業を知らないものに対しては、高等法院の役人と名乗るかもしれない。墓守の一族と仲の良い唯一の人間であり、リチェルの出生の秘密を知っているもの。彼自身は職業柄人々から恐れられている反面、副業の医者として頼られてもいる。リチェルとは幼馴染のような兄妹のような間柄である。