無題 ―あるいは三月原稿―

二人遊び

「リツカ、一人でこんなことをして、僕とするよりおもちゃでする方が良かったのですか?」「えっ、ち、ちが」「違くないですよね?だって、こんなに嬉しそうにコレを咥えこんで」 一人遊びをしていた立香の部屋にいつの間にか現れたサンソンが、霊衣を消し去…

一人遊び

 何度も、何度も。うっとりとしてしまうような口づけを重ねられ、さらに深くと、咥内を舌で割られる。絡められたら最後。息が苦しくなるまで舌を弄ばれる。そう思って逃げるそれを追いかけるように深い口づけを受け……。 立香は「はふっ」と息を吐く。自分…

プレゼント

赤とピンク、それから数本の薄オレンジのチューリップに、カスミソウ。かわいいピンクのリボンで束ねられたそれが、いつものように夜に部屋を訪ねてきたサンソンによって、目の前に差し出された。「リツカ、これを」「くれるの?ありがとう!」 突然どうした…

いつだって

「もう大丈夫ですよ」「ありがとう、サンソン」 背中から腕にかけての傷にサンソンのスキルを使って治療を施す。傷は見る見るうちに癒えていき、何もなかったとまではいかないものの、ひどい傷がそこにさっきまであったと言われたら嘘だろうと言われるほどに…