これは終わりのお話
「■■■■■、蛍を見に行こう?」「蛍、ですか?」 蛍とは何なのだろうとバーゲストは思う。けれど、それも数分。蛍とは何だったのかを”思い出して”それだったら夜ですねと声をかけてくる。妖精國では蛍を観賞用として愛でる風習は無い。けれどバーゲスト…
Novelアドバゲ,これもまたひとときの夏の夢,二次創作
ある晴れた日に
マンチェスターの町並みを眺めつつ、車椅子を押す。アドニスはとうとう自力では歩けなくなってしまっていた。自動で動かせる技術も■■■■にはあると理解していたものの、そんなものは妖精國には無い。キイキイと小さくなるずいぶんと軽いそれを押しながら…
Novelアドバゲ,これもまたひとときの夏の夢,二次創作
霜柱を踏んで
僕の命は来年まで保たない、それどころかこの 場所は彼女の夢。そして僕自身も彼女の夢である。 ことを理解していた。「■■■■■、霜柱が立っているよ」足下がシャリシャリと音を立てて崩れるのにバランスをとりつつ、霜柱を踏みつける。靴を履いているか…
Novelアドバゲ,これもまたひとときの夏の夢,二次創作
冬飾り
「■■■■■、今日は雪が降っているね」「そうですわね。あまり冷たいところにいますと、体に障りますわよ?」「少しぐらい大丈夫だと思うけど。……あっ、あっちの家は何か飾り付けているみたいだね」 確か、クリスマスだったかな。汎人類史から流れてきた…
Novelアドバゲ,これもまたひとときの夏の夢,二次創作
月が綺麗ですね
「月が、今日はきれいですね」「うん、そうだね」 屋敷へ帰り、服を着替える。お屋敷付きも今日は暇を出しているからアドニスと二人きり。そう思うといつもより腕によりをかけて料理を作りたくなり、数十分後にはお皿に乗りきらないほどの豪華な料理ができあ…
Novelアドバゲ,これもまたひとときの夏の夢,二次創作
秋のとある森での夢
「■■■■■、■■■■■」 ん、と声をあげ、目を開ける。目の前には、アドニスがいた。カルデアにいた自分はどうしたのだと思いつつ、目の前の男が確かにアドニスであることを理解して、口を開ける。「アドニス、どうしたのですか?」「■■■■■、ほら、…
Novelアドバゲ,これもまたひとときの夏の夢,二次創作
プロローグ
ああ、私はなんということを。バーゲストは思う。ぐちゃぐちゃと音を立てて、口へと運んでいたものは何だったのか。なんだったのか、ではない。誰だったのか。思い出そうにももう姿さえも見えないぐらいぐちゃぐちゃになっている。それを先ほどまで口に運ん…
Novelアドバゲ,これもまたひとときの夏の夢,二次創作
おにぎり
真っ赤に色づく紅葉が一枚。窓の隙間からベッドに滑り落ちる。それに手を伸ばすのは、一世紀近くを生き抜いたしわくちゃな手であった。ベッドに眠っていたおばあさん――幸子は、年齢を感じさせない手つきでそれを拾い上げ、光に透かして見るように見つめた…
Novel#10m_wri,一次創作
第六話 ゆっくり知ろう?
吐いてから何度も立香を抱こうと思った。けれどそれは叶わず。部屋に入ることはできる。ベッドに寝っ転がって彼女を待つことだってできる。それでも彼女に触れようと動こうとするだけで固まってしまうし、彼女から触れられそうになると避けてしまうことが続…
Novelオベぐだ♀,二次創作,愛を知らない俺らの幸せ
第五話 愛はあるのではないですか?
「妖精王オベロン、今お時間よろしいですか?」「ああ。構わないけどなんだい、バーゲスト。戦闘が終わったばかりだけれど、君は大丈夫なのかい?」「お気遣いありがとうございます。ただ、私は平気なので」 これは面倒くさいことになったとオベロンは思う。…
Novelオベぐだ♀,二次創作,愛を知らない俺らの幸せ
第四話 身体を交わす愛以外にも愛ってあるのではなくて?
生まれて十八年の終末装置としての機能の備わったものに、存在とは反対の行為をさせる。それがいかに酷なことかと考える。考えて、そして考えても答えはでない。 廊下を歩きながら考える。やっぱり答えは出ないかとため息をつきながら角を曲がろうとしたと…
Novelオベぐだ♀,二次創作,愛を知らない俺らの幸せ
第三話 精神の治療は範囲外です
「精神の治療は範囲外です」「そこをなんとか」「勃起不全の薬なら出すことはできますが」「そうじゃないんだよな~」 妖精王の姿を取り、愛し合うものと身体を交わすためにはどうしたら良いかと医務室を訪れる。今度は保護者サーヴァントよりも、より治療に…
Novelオベぐだ♀,二次創作,愛を知らない俺らの幸せ