エピローグ

「ねえ、何で一緒に入ってるの?」

「それはね、リツカ。僕が無理をさせたから、せめてお風呂では楽をさせたいと思ったんだよ」

「ねえ、何で後ろから抱きしめてるの?」

「それはね、リツカ。後ろからの方がお互いに色々と見えなくて良いだろう」

「ねえ、何で第二再臨の姿なの?」

「それはね、リツカ。僕の理性が足りなかったことを反省しているんだよ」

 ポリネシアンセックスは、挿入後には一切腰を動かさなくても絶頂に至れるものらしい。動かさないことで、キスや愛撫だけで高めあうことで、精神的に深くつながれる、大きな満足感を得られるものらしい。挿入後三十分まではうまくいっていたけれど、それ以降は。私が煽ったのだからオベロンが反省することじゃないんじゃ無いかな、と思っていても、オベロンは反省を続けているのだった。

「あーあ、後もう少しでリツカにもっと気持ちよくなってもらえたのにな」

「私は気持ちよかったし、満足してるよ?」

「それはそれ、あれはあれなんだよ。きみの最初は最悪だった。だからせめて二夜目は良い思いをさせてあげようって、僕は思ったのに」

 最初は消えかけていたオベロンに対して行った魔力供給だった。確かに痛かったし、苦しかった。けど、今回時間をかけてゆっくりしたことで、どこが気持ちいいかとか考えながらしたことで、オベロンのことを少しだけ知れたり、より考えることができるようになったと思う。それに、気持ちよかったし、もっと好きになっちゃった……なんて考えてしまう。そう思っていると、じくじくと、さっきまでオベロンのが挿っていたところがうずき出して

恥ずかしくなった。好きだからって、正直すぎないかな? 口を噤んで本音を漏らさないようにしていたところを不思議そうに見られ、それから目を細められる。

「ふぅん。きみ、まだ足りないんだ」

「えっ、えっと……」

「いいよ、シようか。実は僕もまだシ足りないと思っていたから」

「えっ、と、ちょっと待って」  待っての言葉は拾われず、無理矢理振り向かせられて口づけを受ける。それだけで、たったそれだけで燃えるように熱く感じてしまう自分を恥ずかしいと思いながら、舌を絡めるのだった。