幸せなセックスがしたくて

「しゃるろ、せっくすしよう?」

「はい?」

 一体全体どうしたのだろうと、サンソンは上に乗り上げた立香を眺める。いつものように夜に部屋に来たサンソンに、立香はベッドに寝転ぶように指示を出して、それに疑問を持ちながらもその通りにした。そうしているうちに、なぜか立香が自分の上に乗り上げていて、冒頭の台詞を口にしたのと現実逃避をサンソンの頭は終えたのだった。

「んっ、シャルロ、だめ?」

「えっと、ですね。ダメとかそういった問題ではなく」

 下半身をサンソンの腰付近で押し付けるように動かしながら吐息をつく立香に頬と別のところが熱くなる。こただ、このまま喰らってしまうのもいいけれど、なんで急にこんなことをしようと思ったのか。せめてそれがわかったうえでするならしよう。そうサンソンは理性が切れ始めている頭でそう思った。

「リツカ、とりあえず、落ち着いて。薬でも盛られたのですか?」

「ちがうと思うけど、はやく、シャルロと、えっちな事……したくて」

「確実に何か盛られていますね?」

「ぁ、ぅん、ん……これ、そう、なの?」

 ぐりぐり、ぐりぐり。すでに湿ったそこを押し付けられるそこは熱を持ち始めて苦しくなってきている。無意識に押し上げて立香を気持ちよくしたいと思いつつも、弱体解除のスキルを使用する。が、体力が回復するだけで、弱体解除の方のスキルは効かなかった。

「えっと、失敗では、ない、ですよね?」

「ぅ、ん……ダヴィンチちゃん、が、たしか……ぁ」

 弱体解除?それだったら、誰かさんがNP減少を強化扱いにしているみたいに、媚薬効果を強化扱いにしちゃえばいいじゃないか!できるかって?天才だとも、やってみせるさ!そう言われて一週間目の今日。立香はダヴィンチちゃんに呼ばれて、お茶会をしてきたのだった。

「それじゃないですか」

「そ……なのかな?少し、まえから、からだが、あつくて……とまらなくて」

 サンソンが来る前におもちゃを使って一人でシたらおさまるかなって思ってしてたんだけど、おさまらなくて。立香は言葉を続ける。達して一度おさまって。片付けている間にだんだんとまた体が熱くなって。サンソンが来たころにはもう一度したくなってしまっていて。迷惑はかけたくないけれど、それでも止まらなくて。

 そう続けられる間にも立香の腰は情欲を煽るように動き続けるし、張り付いた下着からうっすらとわかる膣口は、はくはくと動き、早く欲しいと煽る姿が分かる。

「だいたいわかりました。貴女が今止められない状況であることも、その原因も。それから、立香がしてほしいことも、僕だって拒みはしません」

「んっ……、ほんとう?」

「ええ。ただ、する前に」

 サンソンは汗の流れる立香の頬を撫でつける。それにびくびくと震えながら快楽を受け入れえる立香に、目を細めながら笑みを浮かべつつ言葉を口にする。

「これからはもっと警戒すること。これを約束してください。いいですね」

「は……い」

 頬にある手をくちもとに持っていき、そうして咥内へと挿れて、立香の舌を弄ぶように撫でつける。それに目を蕩かせながら、立香は手を噛まないように頷く。

「よろしい。では一旦僕の上からではなく、位置を入れ替えましょう。好きに動けるならこれでもいいですが、今の貴女ではつらいでしょう?」

「う、ん。その、いっぱい、気持ちよくして?」

「ええ、勿論ですよ。それから、どうしてそんなことを頼んだのか。それも薬が抜けたら教えてもらいますからね?」

「はい」

 嫌だなという立香の気配を感じたものの、元をたどらなければまた同じことが起こるかもしれない。そう思いつつ、自身も我慢はできないほどに高ぶってしまっているので、一旦それは置いておくとしよう。 立香の愛液でぐちゃぐちゃになっていた下穿きを寛げつつ、サンソンは理性を手放したのだった。