終の住処で少女は微笑む - 3/4

2日目:現実パート(朝~夜:探索)

現実に戻った瞬間に1D3を振ってもらい、出目の分だけMPを減らす。これは夢から覚めるたびに行うこと。なお、このMPは24時間の自動回復はしない。
危機感をあおる為、MPが減ることに体調が悪くなる演出を入れるのもよいだろう。
以降現実パートでは自由行動となり、各場所で以下の情報を手に入れることができる。

図書館

・<図書館>と<オカルト>の組み合わせロール /「屍食教典儀」について
「フランスにおける降霊術、死体食、屍姦等を行う教団についてを目録化している」
「その本を読んだものはーーーーーーとなる」などと、オカルト大全に書かれている。

・<図書館> / 「ヴァルマ国のすべて」
この本には、舞台となっているヴァルマ国の、歴史として伝わっているすべてが載っているので、物語を進めていく上でとても大切なものとなる。ダイスを失敗したとしても、何かしらの方法でこの本を入手させるべきである。

①ヴァルマ国について
現在の―――の位置にあった国。統治は国が滅びる3代前の王まで良かったが、年々国家予算が減ってゆき、最後の代には破綻をしていた。国王はその事実を国民に秘匿した。そのような中で、税の徴収の厳しさから革命がおこる。
国王もその娘である王女アンネもギロチンによって首を落とされることとなった。
①-1:王と王女の処刑された日
・王(アルフレート)73歳→1845年10月31日
・王女(アンネ)  14歳→1845年04月16日
①-2:王の家系について
 王と王妃の間には二人の子供がいたとされる。長女は死産。生きていれば次女のアンネより5歳年上だった。
①-3:王女の処刑について
 幼少の頃と、ギロチンにかけられる王女の絵がいくつか載っている。幼少の頃は美しい少女の写真であるが、ギロチンにかけられる直前の者は醜いものが多い。
APP表記にすると、幼少期がAPP16に対し、6となっている。

②文化と衣服
②-1:文化と衣服について
「王族」「貴族」「平民」の三階級があり、平民が全体の98%を占めていた。その平民の中にも奴隷階級や差別階級があり、差別階級一部には、貴族のような生活をした「墓守」「処刑人」「清掃人」「芸能にかかわるもの」などもいた。
墓守は特に黒いローブ、そして黒いフードをかぶっていた。
※差別階級の一部は、いなくなってしまうと困る職業であったため、手厚い保護を受けていた
②-2:死刑制度について
・死刑制度の廃止→1847年
・死刑を行っていたもの→死刑執行人(高等法院の役人付きの処刑人、が行っていた)

●コンピューターで検索

現代のネット検索においては、真偽不明の情報や、情報の一部を抜粋したものなどが出ることがある。基本情報としては図書館で得られるものと変わりがないが、ショッキングな画像でSANチェックを入れたり、多量な情報を渡すことも、コンピューターと図書館の違いとして出してよいかもしれない。

・<コンピュータ> / 1835年の出来事
01月30日 第7代アメリカ合衆国大統領アンドリュー・ジャクソンの暗殺未遂事件
03月02日 フェルディナント1世がオーストリア皇帝に即位
04月18日 イギリスで第2次メルバーン子爵内閣成立
06月15日 ヴァルマ国で民衆によるヴァルマ革命への動きが始まる。
10月02日 ゴンザレスの戦いによりテキサス革命が始まる
11月16日 ハレー彗星の近日点通過日
12月07日 ニュルンベルク・フュルト間でドイツ初の鉄道が開通

●友人に連絡する

友人は体調を崩したようで3日ほど写真を預かったままにしてほしいとLINEに連絡が来る。LINEに送られた40℃代の体温計の写真を見て、話すことをあきらめるだろう。

2日目:夢パート(路地裏)

●裏路地にいることに気が付く

夢の中で目を開けると、昨日目を覚ました裏路地にいることが分かる。昨日と変わらず辺りに目立つものはないが、どこかから人々の声が聞こえることもわかる。

・<聞き耳> / 声に対して
「国王が逃げたぞ!捕まえろ!」
「あいつは国外に逃げて祖国を滅ぼすつもりらしい!」
「結局は貴族と同じだ!全員に罰を与えよ!」
などの声が聞こえる

聞き耳が終わった時点で、次のパートへ進む。

2日目:夢パート(墓場)

●墓地にいることに気が付く

前日と同じ墓地にいることが分かる。現時点で人が一人もいない。

・<目星> / 墓地全体に
遠くに小さな人影と大きな人影の2人が見える

・<目星> / 墓地に対して
1835年より後の墓も見られるが、1840年以降の墓はない

墓地を歩き続けるか見つけた人影に近づくと、前日出会った子供と、一人の男性の姿を見つけることができる。子供は男性から人のサイズほどもある袋を受け取り、足元にある深く掘られた穴にその袋を落とす。そのあと、土で穴を埋め、石を積んでいく。石には1840年と刻まれていた。
それからしばらくして、子供は探索者を見つけるだろう。

・<目星> / 子供と男性の外見について
子供(リチェル)
金髪、表情はフードをかぶっているため見えない
男性(チャールズ)
ヴァルマ王の貴族間で流行っていた服装。髪はホワイトブロンド、瞳は空色。

・<目星> / 子供や男性が武器を持っているか
少女のローブの下には何か長細いものがあることが分かる。男性は剣を帯刀していることが分かる。

子供は探索者に気が付いた後、探索者のことを覚えているので話しかけてくるだろう。
ある程度話したら、子供が貧血で倒れる。まだ近くにいる男性が使づき、医療行為を試みるだろう。
KPはここでシークレットダイスでチャールズの<医学>を振る。
ただし、失敗をしても成功をしても医療行為自体は成功したものとする。患者の様子を見て貧血と判断するが、同時に子供が人間から化け物へと姿を変えていっていることに気が付くだろう。

・<医学> / 男性の医療行為に対して
1840年における医学としては適切なものであるとわかる。

・<心理学> / 医学を行う男性に対して
適切な医療行為を行おうとしていることがうかがえるが、一瞬何かに驚いたように感じられる。

男性は治療を終えたあと、探索者に「子供の家へ子供を運ぶことを手伝ってほしい」「子供が起きるまで子供の様子を見ていて欲しい」ということを頼み、探索者はそれを受け入れることになるだろう。

●子供の家へ到着する

子供の家は簡素なものとなっており、「小さな机」「衣装タンス」「ベッド」などが置いてある。
男性は子供の様子を再度観察した後に、フードを深くかぶせ直し、「治安が悪く、墓を見回る必要があるから」など、理由をつけて小屋から出ていく。

・<聞き耳> / 嗅覚
何かが腐ったようなような香りがほのかにする。

小さな机
目星無しでも、机の上に「布がかかったバスケット」「日記」があることが分かる。
①布のかかったバスケット
布を取り外すと、カビたパンが出てくる。
②日記
日記には、古い筆跡と新しい筆跡の2種類の筆跡があることが分かる。
【古い筆跡】
「神よ、私は罪深きことをしてしまったことに懺悔いたします。私は友を裏切るだけでなく、
祖国を、いえ、他国さえも裏切るようなことをしてしまったのです」
「私は罪を犯した。罪の代償は今私の手の中にいるこの子だけれど、私にはどうしてもこの子を*すことができない。この子はいてはいけない子だ。それでも私は」
「あれから数年の時が経った。あの子はすくすくと成長をしていくが、時がたつに
つれてあのお方に似てきていることを実感する。あの子が彼女と同じ笑顔を見せる度に、
私は自分の罪を自覚する。ああ、私は」
【新しい筆跡】
「おとうさんの にっち みつけた」
「おにいちゃん みた こわいかお した」
「お兄ちゃんにも字のかき方を、おしえてもらった。たべものがなくておなかが
空いてると言ったら、パンをくれた」
「わたしのお仕事はお墓を作って守ること。お兄ちゃんは今日も遺体を運んできた。運ばれた遺体の中に本を持っている遺体があったけれど何だろう?」
「なぜ忘れていたのだろう。父の遺品を整理して見つけたこの日記。これを読むためにお兄ちゃんから字を習いはじめたのに。……最近身体中が痒い」
「私には母が物心ついた頃にはいなかった。なぜだろうと思ったこともあったけれど、
父は亡くなったと言っていたので信じていたのだ。けれどもし……この日記が真実なら」
「昔の絵を見つけた。まだこの頃には人間だったのだなと思った。日々人間からかけ離れた容姿に変わっていく自分。まだ人間の姿をしているけれど、このままでは私は……。」
「王女が国王様と一緒に捕まった。ーーーの監獄に入れられたらしい。」
「私と王女は父親違いの姉妹。実感なんか湧かないけれど彼女のことは可哀想に思う。お兄ちゃんのような人が彼女の側にいれば……正しいことを教えてくれる人がいれば良かったのに」
「いつか彼は言っていた『死刑制度なんてなくなればいい』と。それでも私は」

クローゼット
・<聞き耳> / 嗅覚
何かが腐った匂いが一層強く感じられる。
・クローゼットを開ける
肉片、人の頭蓋骨などがなにかに食われた状態で放置されているのに気がつく。0/1D6のSANチェックとなる。
(情報:子供はすでに人の食べ物を食べることができなくなっている)

ベッド
ベッドの下にも、クローゼットで前述した肉片が散らばっている。ベッドの上にはフードを深くかぶったまま寝かされているリチェルがいる。
探索者が肉片を発見したり、日記を読む、またはフードをかぶせられていることを不審に思い、彼女のフードをとると、グールと人間の中間のような顔立ちがあらわになるだろう。ここで0/1D6のSANチェックとなる。

探索者が目を覚ましたいと思った所、または探索が行き詰ったところで、夢から醒めるだろう。