追想の愛 - 3/3

十二月二十六日 退去日

立香が目を覚ました部屋は一人きりで、最初から誰もいなかったのではないかと錯覚するほどのものであった。

けれど、立香は下腹部に痛みを感じたし、目が覚めて一番の場所には彼がいたであろう痕跡。植物の紫苑が置かれていた。 「わたしもきみのことを、ね。シャルル」