Kleine Künstler - 1/3

貴方はある日友人から「今日、『未来の天才が集まるオーケストラ演奏会』みたいな会にいく予定だったんだけど、いけなくなっちゃったの」代わりにいってきてくれない?とチケットを渡される。そこに書かれていた演目は『ミサ・ジ・レクイエム・ペル・シュジャイ』より選ばれたものである。貴方はこの演奏会でどんな曲を聴くことになるのだろうか。

初めに

推奨人数……1人
難易度……★☆☆☆☆
推奨技能……目星、聞き耳、図書館、音楽(楽器を演奏する方法/音楽に関する知識)
舞台……現代日本
戦闘の有無……基本的には無し(ラウンド処理はあり)
所要時間……テキセで8時間

目的

このシナリオの目的は、演奏会を止めること、寛(ひろ)にとりついている邪神を退散させることである。

背景

 昔、ある音楽家の家に二卵性の男女の双子が生れた。名前はそれぞれ男の子が寛、女の子がユリアと名付けられた。ユリアは天才、寛は努力家だという評価を受けていた。ユリアは寛との音楽を楽しみたかったが、世間ではユリアの演奏だけが評価される。そこで彼女は『寛と一緒にいるため』にわざと下手な演奏をする。
数年後、二人の立場は逆になっていた。勿論本当の実力で比べてしまえばユリアの方が上であったが、寛が称賛され、舞台へ上がることが多くなっていた。そのようなときに今回の邪神に寛がとりつかれ、だんだんと精神や肉体を崩壊させていった。

シナリオの流れ

1、演奏会のチケットを貰う
2、劇場へ向かう(探索)
3、エンディング

NPC情報

乙ノ音 ユリア(おとのね ゆりあ)

 天才ピアニストと呼ばれていた少女。本人も自分の才能に自信を持っているが、弟のためにその才能をなかったこととしている。彼女は、弟と区別されないこと、弟と幸せに暮らすことを願っている。

乙ノ音 寛(おとのね ひろ)

 トルネンブラに取り憑かれている少年。ユリアの弟。天才ヴァイオリニストと呼ばれている。姉よりも演奏技術が劣っていたことから、父親に暴力を伴った教育的指導を受けていたが、トルネンブラに取りつかれたことによって演奏技術が向上。1か月ほど前から父親からの暴力を受けなくなるが、同時に興味も持たれなくなる。

乙ノ音 ダニエル(おとのね だにえる)

 ユリアと寛の父親。APP18の黒髪、浅黒い肌の人物。本編の1か月ほど前にグールに殺され、そこに現れたニャルラトテップによって、入れ替わられる。
 彼を一言で表すと、ドールマニアと音楽狂。妻と口論になった時に誤って殺害してしまってから人生が狂う。妻を『ドール』にして隠すが、彼の家の近く(地下)に住んでいたグールたちに匂いで死体があることがばれて、『ドール』を盗まれそうになる。そのときに無理やり取り返そうとして、逆に殺されてしまう。それを暇つぶしに見ていた暇神ことニャルラトテップが入れ替わって、子供を育てることとなる。

登場確定の神話生物

ニャルラトテップ

 寛とユリアの父に化けている。本当の父はグールに殺されてしまったが、殺される前から人形狂いの指揮者として、自分の世界に閉じ籠るか、音楽の世界に閉じ籠っていたため、変化が起きても気にされなかった。今回の演奏会を計画した邪神の一柱。アザトースを召喚して、混乱をもたらすのが目的。基本人間を観察して楽しんでいる。

トルネンブラ

 寛にとりついている邪神。音楽の才能を与える代わりに、アザトースのもとへ連れていこうとする。今回は天才音楽家が集まることになったことから、『アザトース様をこちらに呼んだ方が一人一人捕まえるより楽じゃないか』と考えて、演奏会に便乗する。