44、納豆
「「いただきます」」
「おや? マスターはともかく、あんたも納豆はいける口でしたっけ?」
「いやあ、マスターが食べているのを見たら、ついどんな味か気になってしまってね。 食べたら意外にもあとを引く味だったんだよ」
糸を引く見たいに言わないでよ。そんなこと言ってないだろう? 己がマスターと妖精王のやりとりにロビンフッドは口を閉ざす。まったく、いつまで経っても同じような夫婦漫才を続けることで。そんなことを言ってしまうと、マスターが顔を真っ赤にして殴りかかってくるものだから言わないけれど。
恋する乙女はなんとやら。やたらめったらに力が強くなるらしい。本気で殴ってきていないのは分かっているものの、なんとなく痛みを感じるのだ。そしてそれだけではなく、伴侶を取られたとでも言うように、こちらを睨み付けてくる妖精王。あんたってそんなキャラでしたっけ? と口にしたくなるも、こっちも言わぬが花。二人に恨まれるのは勘弁願いたい。
ロビンフッドは言い争いを始めた二人に、今日は何処が破壊されるのかを考えつつ、ため息をつくのだった。