【FGO:オベぐだ♀】100本ノック1(71~80) - 1/10

71、お弁当

レイシフトの合間、せっかくだからゆっくりしたまえと言われ、持っていたお弁当を広げることになっていた。一緒に来ていたメンバーはフランスのメンバーとアマデウスとサリエリ、それから支援としてのオベロン。オベロンがバフを、アマデウスとデオンが敵にデバフをかけつつ星を作り、そこにサンソンとマリーちゃんが攻撃を仕掛けていたのだった。

「では、僕たちはあちらで食事を摂ってきますので」

「うん、ありがとう。また後で」

「ああ、またあとで」

サンソン、デオン、マリーちゃん、アマデウス、サリエリは情報収集もかねてと今いる丘から町にあるだろう食堂へと向かう。あの五人だったら町に溶け込むこともなんだかんだ言って容易だろう。仮に溶け込めずに戦闘が始まったとしても、編成としても安心だ。なんだかんだ言っていい組み合わせだもんね。そんなことをサンソンとアマデウスの背中を見つつ考えた。

「で、きみと俺だけになったわけだけど」

「そうだね」

「……早く食事でも摂れば? 人間には必要なんだろ?」

「まあ、摂るけど」

どうやって食事に誘おう。そもそもご飯を食べてくれるだろうか。サーヴァントには食事なんて必要ないと断られそうだなと思いつつ、オベロンの方を見つめる。

「あの方は捻くれているところもあるけれど、アマデウスと一緒でかわいらしいわよね」

「やめてくれよ、マリア」

「あら、本当のことじゃない。……マスター、私たちは情報収集をしてきますから、今のうちに休憩を取って、ね?」

五人がいなくなる前に話していたこと。情報収集ついでにもしかしたらお菓子か何かを買ってきてくれるかもしれない。きっと、今の二人きりの時間を作る代わりに、後で一緒に食べようと言ってくるだろう。そんなことは簡単に想像つく。それだったら今のうちにオベロンをしっかり誘って、それで一緒に時を過ごさねば。せっかくマリーちゃん達が気を遣ってくれたことだし。

敷物を敷き、二人分の場所を確保する。そして、ランチョンボックスを開け、思わず笑ってしまった。二人分の食事。用意してくれたのはエミヤだけれど、最初からそうするつもりだったのだろう? と言われてしまっているようで、笑みがこぼれる。

「ねえ、オベロン」

「なんだよ」

「一緒に、ご飯食べない? こんな量は一人じゃ食べきれないから、さ」

オベロンにも中身を見せる。そうすると、眉間に皺を寄せつつ、軽くため息をついて隣に座ってくれるのだった。