【FGO:サンぐだ♀】オメガバース(R-18) - 2/2

藤丸立香はΩ性と判明し、紆余曲折あって番、そして恋人となったシャルル=アンリ・サンソンの部屋へ来ていた。人理修復のストレスからホルモンバランスを崩していたために起きていた発情期の乱れも、番を得ることで通常の周期に戻っていた。そして、今日はその発情期とは関係のない日であったが、立香はそれを承知で真夜中にサンソンの部屋を訪れ、数分前までは彼のベッドのふちに腰かけて、彼の横で本を読んだり魔術の基礎練習をする振りをしたりしていた。
「シャルル、その、今、いいかな」
「ええ、勿論です。どうしました、リツカ」
サンソンはあたりを気にした様子もなく、マスターのことを彼女自身の名前で呼ぶ。それは彼女のサーヴァントとしてではなく、彼女を一人の人間として、恋人として扱うときに呼ぶ、個人的な行為であった。それは立香も同じで、彼女がマスターとして他のサーヴァントたちと一緒にいるときにはサンソン、恋人として二人きりでいるときにはシャルルと呼んでおり、これは二人の秘めた決まりごとのようなものであった。
「その、こんなこと言うの、えっちな子って思われるかもしれないけど、したいなって」
ダメ?とサンソンの顔を覗き込むように近づいてくる立香。サンソンはそんな彼女を抱きしめて頬にキスを落としたあと、改めて彼女の肩に手を置き、問いかける。
「いいですよ、と言いたいところですが、明日は朝から予定があったのでは」
「うん。確かにレイシフト前の準備とか編成を考えようと思ってたのだけど、ダヴィンチちゃんからね、君までロマニの真似をして働きすぎてもいけない。たまには休みたまえ、って言われちゃって」
「働きすぎだから休むように、と言われてこんな時間に」
「それは謝るけど、それでも、シャルルに、発情期以外で抱いてもらいたいなって。発情期っていう義務的なものじゃなくて、その、恋人として、ね」
「それは……いささかずるいのでは。そう言われてしまっては叱るに叱れないでしょう」
しましょうか、と立香のパジャマのボタンを外しながらサンソンは答える。パジャマ、ブラジャーを脱がせ、自身も煩わしそうに羽織っていたコートとタイ、シャツ、ブーツを脱いだ。そしてそのまま体温を分かち合うように、愛しむように立香を抱きしめた。

「えへへ、全部、はいちゃった、ん、だよね……あんなにおっきいの、いつも、私の中に入っているけど、やっぱり、信じられない」
「ええ、全部立香の中に。分かりますか、いつもここを突くと立香はぎゅって中を締め付けてくるのですよ」
「え、ああっ、やんっ、シャルル……そこ、だめぇ!ああっ!」
負担をかけないようにと慎重に挿入したにも関わらず、立香がそれを無にするような笑顔を向けたから。最奥に亀頭をぐりぐりと押し付けるように腰を動かす。そして上がる嬌声。発情期の時とは違い、柔らかく締め付けるそこは、精を急に搾り取るようには動かないが、かえってそれが本来の彼女なのだと興奮を誘う。立香の足を持ち上げて肩に掛ける。そのまま体重をぐっとかけて腰を押し付けるようにしながら揺らすと、立香の花芯に触れ、その衝撃に彼女ががくがくと逃げるように腰を揺らす。それはまるでサンソンをさらに官能へと誘い込むように動いている。サンソンはそんな彼女の腰を逃げないようにと強く掴み、押し付けるように、それでいて彼女に無理を働きすぎないようにと、腰の動きを速める。
「あぁぁ……ん、んっ……しゃるる、んあっ、すごいの。気持ちよくて、あっ、しゃるるも、きもちい?」
「ええっ、発情期の時とはまた違っていて……ん、あたたかくて、心地よくて、すぐに持っていかれてしまいそうで」
「ん、うれ、しい……けど、キス、してくれたら、もっと、うれしくなっちゃ……あぅ、ん」
「ベーゼ、立香はお好きですよね。覚えていますか?立香は発情期の時、自分から求めてきてくださる、ん、ですよ」
「あっ、う……覚えてえる、けど、恥ずかしくて。でも、キスしたい」
してくれないのですか?と、少し動けば口づけができる距離まで顔を近づけたサンソンに、恥ずかしながらも腕を絡めて口を合わせる。口も下の繋がりも、ぴちゃぴちゃ、ぐちゅぐちゅ、と恥ずかしいほどの音を立て、それが二人をさらに高ぶらせた。
「ん、んんぅ、んっ……きもちい、し、うれし、い……あっ、あん!」
「ん……締まってきましたね。もう、そろそろでしょう?」
「うん。あっ……もう……気持ちよくて、何か、きちゃうの……次、キス、されたら」
「それにしては、してほしそうな顔をしていますね。……僕も、そろそろですし、いいですか?」
「うん。……あっ、んん。んっ」
さらに早く、深く立香の中を穿ちながら口づけを落とし続ける。酸欠なのかそれとも快楽によってなのか、ぼうっとする頭に立香は微笑みを浮かべながら、サンソンの名前を口づけの合間に呼び、サンソンもそれを返すように名前を呼び合う。
「んっ、シャルル、イっちゃ、イっちゃうよ、しゃるる……あ、あぁああぁあ!」
「んっ、立香、りつ、か……!」
ヒクヒクと収縮する立香の中に合わせて、サンソンの一物はドクドクと脈打ち熱い飛沫を噴き上げる。亀頭は子宮口にぴったりとつけられるように押し付けられていた。

「ねえ、シャルル」
「なんでしょうか、立香」
「あのね、こんな時間になっちゃったけど、ありがとうって、伝えたくて。エッチな事もそうだけど、私のわがままとか、感情に走っちゃうようなことも、こうやって受け止めてくれて」
ちゃぷん、と立香が動くとその分だけお湯が揺れる。立香とサンソンがいる浴室には、ゆったりとした時間が流れている。湯船に浸かった立香はサンソンに背を向ける形で寄りかかり、顔だけを彼に向けて甘えるように胸元に頬擦りをした。
「それでしたら、僕の方こそ、立香が僕の全てを受け入れてくれているのには感謝していますよ。僕があなたに『僕の迷いを炙り出すようだ』といったことを覚えていますか?」
「うん、勿論覚えているよ」
「ありがとうございます。……立香は、あの夢の中でこうもいってくれましたよね『もう殺さない』『自分がマスターである限り』って」
「う、今聞くと恥ずかしいこと言ってる気がするけど、いったね。だってシャルルは、処刑人であって、人殺しじゃないでしょ?」
「ええ。ですから、マスターである貴女がそれを言ってくれたから。堪らなく嬉しかったのですよ。僕の迷いは死してなお、英霊という存在になっても消えることはない。それでも、立香にあのように言ってもらえたから、僕は鈍ることなく貴女の刃であり続けることができる」
「そっか。えへへ。自分では、あんなに恥ずかしい言葉を、って今でも思っちゃうことがあるけれど、そういってもらえて嬉しいな。それで、シャルル」
こんな雰囲気に水を指しちゃうかもしれないけれど。と、耳まで真っ赤にし、何処か俯いたように足をもじもじとさせながら再び甘えるようにサンソンにすり寄る。辺りには慣れ親しみ始めている果実のような、濃い花のような香りが漂い始めていた。
「その、発情期、なのかな。凄く、胸が苦しいというか、えっち、またしたくなっちゃったの」
「確か、あと三日ほどでそれの予定でしたが、先程のことで促されてしまったのかもしれませんね。すいません。するのは、期間に入ったと連絡をしてからでもいいですか?」
「うん。いいよ。だから、早く」
我慢しきれないと、一人遊びを始めそうな立香に慌てるように浴室を出て霊衣を纏い、ダヴィンチに発情期間に入ったことを知らせるサンソンであった。