【FGO:サンぐだ♀】先生とぐだちゃんの100本ノック(1~10) - 8/10

8、これはとある月の日のこと
つきん、と腰が痛んで目を覚ました。月一回には起こること。仕方がないことといえばそれまでだが、事なだけに今日の訓練と素材集めを中止にして欲しいと、早めにダヴィンチちゃんに連絡を入れ、薬をのんだ後にベッドの毛布へと包まる。
「ドクター……
誰もいないであろう部屋に響く声。寂しさからなのか、それともこうしていたときにいつも側にいてくれたからなのだろうか、健康相談もかねて相談していた相手をつい思い出す。不器用ながらもアドバイスを贈ってくれたり、眠りにつくまで側にいてくれた、そんな些細な日も私は忘れないようにしていた。私は彼のことをそっと思い出しつつ、目を閉じた。
「おはようございます、マスター」
「おは、よう……ッ」
薬を飲んでも効かなかったのだろう腰の痛みに顔を一瞬しかめ、声を続ける。
「えっと今は何時?何かあったのかな?」
「今は貴女が連絡をいれてから二時間ほどに。ただ、
いつもでしたら”彼”が来ていたでしょうから。代わりにはなれないかもしれませんが、一応」
「代わりだなんてそんな、気にしてくれてありがとう」
「マス、立香のこと気にするのは当然のことですよ」
「それは、恋人だから?」
「そう、ですね」
優しく微笑まれた後、髪の一房を掬われ、口付けられ、そのままベッドサイドへと座られる
「立香。今日は何か僕にして欲しいことなどがありましたら、申してくださいね」
「ありがとう。それだったらお言葉に甘えて、ご飯が食べたいな。出来ればサンソン先生が作ったお粥が食べたいです!」
元気な姿も見せなくては、と少しだけはしゃいだ言い方をしてみる。サンソンはそれに気づいたのか、楽にしていていいんですからね、といいつつ言葉を続けた。
「お粥、ですか。ただ、一度立香の側を離れることになってしまいますが、それでも?」
「出来れば離れないで欲しい。もう一度眠るまで一緒にいて欲しいな。それで、眠った後にお粥をつくって、それで」
「持ってきたら起こして欲しい、ですか?分かりました」
「うん。それから、眠るまでは、添い寝、して欲しいな。出来れば抱きしめて欲しいです」
「無理はしない程度にですよ。それから、布団はしっかりとかけること。いいですね?」
「わーい」
ありがとう。そう言う代わりに腰が痛まない程度にそそくさと掛布の角を持ち上げたのだった。