「まったく。貴女は最後にそんなことを言うのですね」
言葉の後、苦しいほどに抱きしめられる。見上げると、微笑みながらも涙を流す彼。
「どうしてサンソンが泣いているの」
と聞くと、彼自身が涙を流していることに気づいていなかったかのように驚いた表情の後、微笑まれる。
「それはきっと、リツカのその言葉をずっと聞きたかったからですね。僕も、リツカのことを、ずっと……愛していましたから」
そういう君のどこか照れたような顔はとてもきれいで。おでこにかかる髪の毛を払われて、そこに落とされた口づけに、胸を締め付けられた。
