【FGO:サンぐだ♀】追想の愛(R-18) - 2/5

「君ともう一度話がしたい」

おや、僕は確かセイレムへ向かおうとしていたのではなかっただろうか。再召喚された自覚のないシャルル=アンリ・サンソンはカルデアの一角で小首をかしげる。気が付いたら身に覚えのない場所に立っていたということは、何かレイシフト時に異常があったのではないかと思い直して、マスターを守るためにも目の前の扉をくぐる。
「サンソン。君はサンソンなんだよね」
サンソンが召喚部屋を出て数分、何か危険なことがあったら自身の部屋かダヴィンチ子女の部屋、もしくは管制室へ向かっているだろうと検討を付け、一番近い場所へ向かう。その道中に慌てた様子で立香がこちらへ向かってきたのだ。
「マスター、どうされたのですか。レイシフト中に何かがあったのでしょうか」
「さ……シャルル、シャルルなんだよね。本当、にオルレアンから一緒にいてくれた、君なんだよね」
僕の言葉を聞いたマスターが一瞬大きく目を見開き、ボロボロと涙を流し。全く何も思い出せないけれど僕の記憶がない間に何かがあったのだろう。そのまま腰へと腕をまわしてきたマスターの体を支えるように抱き返すと震える肩。
「ええ、僕です。マスター、僕が何かしてしまいましたか?」
「ううん、君は悪くないけど悪くないけど、私は君を守れなかった」
ごめんね。そうつぶやくとさらに腕に力を籠められた。