【FGO】SS集 - 3/7

その炎で抱きたい方(清姫→ぐだ♀)

「あらあら、まあまあ、仲のよろしいこと」
アーラシュさんと、スパルタクスさんには申し訳ないけど、もう一回だけ。お願いします。ようやく種火集めから帰って、二人でお茶でもと、清姫が誘おうと思ったところで、声をかける前にいなくなってしまったマスター。暫く探して歩き回っていると見つけた、一緒に周回をしている男性サーヴァント達と彼女の姿。
いっそ今度の周回の時に一緒に燃やしてしまいましょうか、と物騒な思考が首をもたげるが、黒い瞳と視線が一瞬ぶつかる。
「マスター、話もちょうど終わったみたいだし、一言いいか?」
「どうしたの、アーラシュ?」
「その件なんだが、本人にはしっかりと話した方がいいと思うぞ?」
ぶつかった瞳はそらされ、そのままマスターと話し始める。
ああ、彼女のまわりにいて、彼女の視線を射止めるなんて、何て目障りな。本当に燃やしてしまいましょうか。どす黒いそれが心の中を覆っていくとき、ふと視線を感じて、意識をそちらへと戻すことができた。
「きよひーちゃん、今の話、聞いてた?」
指をこちらに向けて指し示している弓兵と、その動きにつられて私を見るマスター。先程の思考が顔に出ていないかと、慌てて表情を作り直して、聞こえていなかったことを答えると、安心したかのように、マスターが近づいてきた。
「良かった。といっても聞かれても良かったんだけどね」
「ますたぁ?それはいったい?」
「きよひーちゃんって、もうすぐでレベルマでしょ?だから、今日なってもらおうと思って」
それで、あと少しで種火が足りると思ったから、スパルタクスさん達に周回の追加を頼んでいたの。
目の前で無邪気に微笑む姿、自分のことを考えて行動してくれていた姿に、毒気を抜かれ、思わず抱きつくのであった。