【FGO】SS集 - 6/7

それはきっと恋だろうけれど(エリ→ロビ)

「ジャーマネ!」
「うおっと?!」
木の上にいた緑の塊に、エリザベートはクッキーを投げつける。一応エリザベートの存在に気がついていた緑の塊、ロビンフッドは、投げられて落ちかけたクッキーを器用に掴んで、木から飛び降りてくる。
「いったい今回は何の用ですかね?」
「用なんて無いわよ!ただ、今日はなんの日だか知っているかしら?」
試すように聞くエリザベート。答えを間違えてはいけないと思いつつも、今日という日付に何か思い当たる点もない。何だったかと思いなが首を掻きつつ、ロビンは答えた。
「今日は、特にトンチキ特異点が発生したともなんとも聞いてはないですが、何かあった日なんで?」
「ジャーマネのバカ」
「ばっ……かとは何ですかね」
「今日は、日頃の感謝を伝える日、だから……その」
いつもありがとう。エリザベートの素直な言葉に驚愕する。確かに、自分が怪我をして以来、素直になることが多くなっていたとは言え、そこまでまっすぐな言葉を口にされたことに思わず黙ってしまっていると、エリザベートは怒ったように捲し立てる。
「な、何よ!何か言いなさいよ!」
「え、いや、あまりに意外だったもんで」
「意外って!少しぐらい嬉しいとか言ってもいいんじゃないの?!」
伝えたかった感謝の気持ちは恐らく耳には入っているだろうけれど、そんな反応だとは思っていなかった、心外だ。そうエリザベートは怒りを顕にロビンに噛みついたのだった