【FGO】SS集 - 7/7

愛されるのなら(オジ+ぐだ子)

「ファラオの奥さんっていいな」
「なんだ?余の寵愛を受けたいというのか?」
「ううん、そういう訳じゃなくてね?サーヴァントになっても愛し続けてもらえる、想ってもらえるっていいなって、そう思ったの」
ベッドにうつ伏せになりアウラード達と戯れつつ、翌日の編成をタブレットで決めていく立香と、そんな立香を隣に座って眺めているオジマンディアス。いつもであったらサンソンが寝ずに夜の守りを行っているのだが、今日はアサシン組の交流会に呼ばれて、代わりにとオジマンディアスがいるのであった。
「それは、あやつのことなんだろうな」
「サンソンのことだよ」
「やはりか。そのようなことを考えるなら、いっそのこと座に刻まれるほど愛し抜けばよいのではないか?」
「そんな事出来るのかな?」
「あの金色のであったのなら『ハッ、雑種が愛をささやいたところで』っと、止めておこう。無駄だと言うやも知れないが、勇者が居るだろう?」
「アーラシュ?確か聖杯戦争の記録を持っているんだっけ?」
「そうだ。あの戦いが勇者にとっては強く残ったのだろうな」
「そんな感じで強く残るようにすれば、私のことも」
「そうかもしれない。が、それでよいのか?」
オジマンディアスは立香に問いかける。立香はうつ伏せの姿からベッドの端に座り直して、真っ直ぐにオジマンディアスを見て答える。
「よくは、ないかもしれない。でも、個人としては、覚えていて欲しい。できれば座に刻まれるほどに」
「そうだな。それでよい」
座に刻まれるほどに残ってしまえば、英霊としての欠点になる可能性もある。けれど、愛というものはそう簡単なものではない。それはオジマンディアス自身も理解しているものであり、思わずため息をつきたくなるものでもある。
続きを話そうとした立香の口に、アウラードが手をつくように跳び跳ねたことで話は終わる。絡み付かれてくすぐったそうにしている立香を横目に、オジマンディアスは満足そうに口許に笑みを浮かべていた。