【FGO】スーパーロックオンチョコをあなたへ - 1/2

サンソン

「サンソン!はいこれ!」
立香から渡されたそれに、サンソンは目を丸くする。毎年バレンタインの時期になると一番にロックオンチョコを渡しに来てくれるマスターのことを可愛らしく思っていたけれど、今目の前にあるそれはロックオンチョコとはことなる形状をしている。
「リツカ、これは?」
「スーパーロックオンチョコだよ!あ、でもあとでロックオンチョコも渡させてほしいな。今年は二つもチョコレートを渡せるっていいね」
笑顔でそう言う立香。サンソンは自分などが受け取っていいのかと考える。
「マスター、これは私が受け取ってもよろしいものなのでしょうか?」
……ん?どうして?」
「これは、戦力強化のためのチョコとも言われてお
ります。それを僕などが」
自分は対複数戦より対単騎戦の方が得意である。加えて周回のことを考えても、清姫、スパルタクス、アーラシュ。この三人の誰かに渡すのがマスターとして適切なのではないか。そう考えたのだった。
「僕などがってそんなこと言わないで?私は、確かに戦力のことも考えたけど、それでもこれはサンソンにあげたい。そう思ったの」
「僕に、ですか?」
「うん。だって……好きだよって、そう伝えたいのは、何度考えてもサンソンだったんだもん」
恥ずかしさからか、それともサンソンたちが話している間に横を通った光の御子に、からかいの言葉を掛けられたからなのか。立香はサンソンにチョコをそのまま押し付けて踵を返すと、逃げるように去っていったサーヴァントたち追いかけるように走り去っていく。
サンソンは、走り去る立香の耳が赤くなっているのを確認しつつ、微笑みながら受け取ったチョコの包装を優しく撫でるのであった。