【FGO】聖杯をあなたへ - 7/10

マリー・アントワネット

「あなたもわたしが好きなのね?いいわ、それじゃあ──ヴィヴ・ラ・フランス!」
「ヴィヴ・ラ・フランス!」
召喚が叶ったということで、早速種火を勧め、上限までレベルを上げる。もうこれ以上下られないというところまできたけれど、聖杯をあげればまだまだ強くなれるだろうと思って、種火と金の盃を手渡すことにしたのだった。

「あら、マスター、ごきげんよう」
「こんにちは、マリーちゃん!今日はクッキーを持ってきたんだけど、いいかな?」
「ええ。こちらにそれも一緒に並べましょう」
聖杯型と星の形のクッキーをマリーちゃんは、元あったお菓子を端によけて置くと、紅茶を入れ始めた。
今日はマリーちゃんの開くお茶会。サンソンも来ないかと誘おうと思ったけれど、女の子限定で来てほしいと頼まれて、行った結果、マリーちゃんと二人で座ることとなっている。
「マリーちゃん、今日は招いてもらってうれしいんだけど、もしかして、何かお話があったのかな?」
「ええ、そうよ。ちょうど、そのクッキーの足立のもとになっているもののお話をしようと思って」
はいどうぞ、と渡された紅茶はちょうどいい温度で、勧められるがままに口をつけると、バラの香りが広がった。
「それでね、そのお話なんだけれど、最近弓の彼に聖杯を渡したわよね?」
「うん。アーラシュにだね。それで、もしかしてだけれど、聖杯を自分に渡した理由が知りたい、とかかな?」
「ええ、もしよければ、教えてもらいたいと思ったの」
ダメかしら、と首をかしげるようにして聞いてくるマリーちゃんに、そんなことはないと微笑みかけた。
「もちろんいいけれど、マリーちゃんは、人の幸せを願えるサーヴァントだと思ったからなんだ。たしかにもっと強くなってほしいとか、大好きだからあげたいとか、いろいろな理由がある。それにマリーちゃんに事は好きだよ。だけれど、理由を教えてほしいって言われたら、これが一番の理由になるかなって」
例えば、高潔な意思があるもの、仲間との幸せを得てほしい人、純粋に強くなってほしいもの、それから、人の幸せを願えるもの。アマデウスのそれがマリーちゃんに対してのみであったが同じように、マリーちゃんも人々の幸せを願えるようなサーヴァントであるから。それを第一特異点で出会い、知っていたから。
マリーちゃんにそれを伝えると、優しく微笑んでくれるのであった。